消費税課税事業者届出書をご存知でしょうか。
消費税課税事業者届出書を提出することで、課税期間中に行なった取引の消費税を計算して消費税を納付することになります
今回、消費税課税事業者届出書の書き方を紹介していきます。
消費税課税事業者届出書対象者
基準期間の課税売上高が1,000万円を超えた場合
基準期間の課税売上高が1,000万円を超えた場合は、消費税課税事業者届出書を提出する必要があります。
基準期間とは、基本は前々年度の売上高です。
例えば、令和5年度に基準期間の課税売上高が1,000万円を超えた場合は、令和7年度の申告から課税事業者になります。
資本金1,000万以上の事業者
基準期間の課税売上高が1,000万円を超えてなくて、資本金が1,000万円以上の会社は設立から2事業年度の間、課税対象者となるそうです。
新設法人は、基準期間がないので、通常であれば免税事業者となります。
しかし、ある程度以上の法人については、納税する資金があるだろうと判断されて、特別に課税事業者にされることもあるそうです。
一定の要件を満たす新設法人
株主から直接または間接に50%超の株式等の出資を受けているなど、実質的にその株主に支配されていること。
上記の株主またはその株主と一定の特殊な関係にある法人のうち、いずれかの基準期間に相当する機関における課税売上高が5億円超であること。
特定期間の課税売上高が1,000万円を超えた場合
基準期間とは、基本は前々年度のことを指します。
特定期間というのは、個人事業主であれば、前年の1月1日から6月30日までを指します。
法人の場合は、設立した日によって異なります。
例えば、法人の設立1期目が8か月以上の場合(5月1日~12月31日)特別期間は5月1日~10月31日となります。
法人設立1期目が8か月未満の場合で、前事業年度(7ヶ月半)の決算期末が月の末日の場合(5月15日~12月31日)は、特別期間は5月15日~10月31日(5ヶ月半)となります。
特定期間の課税売上高が1,000万円を超えた場合は、消費税課税事業者届出書が必要になります。
書類は、消費税課税事業者届出書(特定期間用)になります。
通常の課税売上高1,000万円超えた事業者が申請する消費税課税事業者届出書(基準期間用)と異なるのでご注意ください。
書類は、下のURLからアクセスできます。
免税事業者も消費税課税事業者届出書提出できる
免税事業者の方も消費税課税事業者届出書提出できないかというと消費税課税事業者届出書提出が可能です。
免税事業者とは、基準期間の課税売上高が1,000万円未満の事業者です。
免税事業者は、基準期間の課税売上高が1,000万円未満の場合は課税期間中に行なった取引の消費税を計算して消費税を納付しなくても大丈夫です。
しかし、免税事業者も消費税課税事業者届出書提出することで良いことがある場合もあります。
例えば、設備投資、機械購入した場合です。
設備投資、機械購入したら多額なお金をお支払いをすることになり、多額なお金に消費税がかかってきます。
売上にかかる消費税より仕入・経費にかかる消費税が上回る場合、消費税課税事業者届出書提出ことにより差額分の消費税が還付されます。
書類は、消費税課税事業者選択届出書になります。
通常の課税売上高1,000万円超えた事業者が申請する消費税課税事業者届出書(基準期間用)と異なるのでご注意ください。
書類は、下のURLからアクセスできます。
消費税課税事業者届出書の書く種類
消費税課税事業者届出書(基準期間用)を印刷し、印刷した、用紙、提出用と控え(自分用)の2枚をボールペンで記入する手書きで書くタイプ。
消費税課税事業者届出書(基準期間用)をPDFでダウンロードし、アプリまたはソフトを通して、直接入力し、入力終えたら印刷する、パソコンで打ち込むタイプの2種類です。
パソコン上で入力はアプリケーション開いて入力、Acrobat Reader DCソフトで入力、PDFで直接入力の3種類になります。
アプリケーション開いて入力
消費税課税事業者届出書(基準期間用)(PDF)で、パソコン入力する場合には、アプリケーションの起動が必要になります。
消費税課税事業者届出書(基準期間用)(PDF)をダウンロードし、ダウンロードした PDF ファイルを右クリックします。
そして [プログラムから開く(H)] → [リーダー] を選択してください。
もしリーダーが表示されていない場合、[別のプログラムを選択(C)] を選ぶことで表示されます。
PDFファイルを開いた後、消費税課税事業者届出書(基準期間用)(PDF)が表示されているので、必要事項を入力していきます。
文字の大きさは変えることが出来ませんので、ずれが生じる事が出てくる場合があります。
その場合、印刷された文字が切れている場合は、手書きが必要になります。
また、文字の大きさは変えることが出来ませんので、住所などを入力する欄が小さく印刷した時に小さい文字で見えにくいことが出てきます。
その場合も、印刷された文字が切れている場合と同様、手書きが必要になります。
Acrobat Reader DCソフトで入力
AdobeのAcrobat Reader DCソフトを使用し、入力する事になります。
こちらでAcrobat Reader DCソフトをインストールの仕方を説明しています。
消費税課税事業者届出書(基準期間用)(PDF)をダウンロードし、Acrobat Reader DCソフトを起動し、ファイル⇒開く⇒消費税課税事業者届出書(基準期間用)(PDF)のファイルを開く
文字の大きさは変えることが出来ませんので、ずれが生じる事が出てくる場合があります。
その場合、印刷された文字が切れている場合は、手書きが必要になります。
また、文字の大きさは変えることが出来ませんので、住所などを入力する欄が小さく印刷した時に小さい文字で見えにくいことが出てきます。
その場合も、印刷された文字が切れている場合と同様、手書きが必要になります。
PDFで直接入力も可能
Adobe Readerをダウンロードしている場合、消費税課税事業者届出書(基準期間用)(PDF)は直接入力することができます。
消費税課税事業者届出書(基準期間用)(PDF)が表示されるので、必要事項を入力していきます。
文字の大きさは変えることが出来ませんので、ずれが生じる事が出てくる場合があります。
その場合、印刷された文字が切れている場合は、手書きが必要になります。
また、文字の大きさは変えることが出来ませんので、住所などを入力する欄が小さく印刷した時に小さい文字で見えにくいことが出てきます。
その場合も、印刷された文字が切れている場合と同様、手書きが必要になります。
消費税課税事業者届出書の書き方

書類は、下のURLからアクセスできます。
1⇒令和〇〇年〇〇月〇〇日
提出する日を記載
2⇒〇〇〇〇税務署長殿
3の納税地の管轄の税務署の名前を記載します。
3⇒納税地
納税地には、住所地・居所地・事業所等の3種類あります。
住所地
生活の本拠。日々の生活をしている場所。
いわゆる住民票があるところ。
居所地
継続して生活している場所。
海外を本拠地としている人が、一時帰国し、日本での活動の拠点としている場所を指します。
事業所等
事業を行っている場所。
事務所や事業所の所在地です。
個人事業主、フリーランス(場合による)は、自宅で作業する事が多いので、自宅の住所を入力します。
起業している方の場合、住所地(自宅)か会社・事務所の住所を入力します。
基本は、住所地を入力するようです。
住所地か事業所などの選択肢が増えるという事です。
4⇒住所又は居所
納税地と同じ場合は同上または納税地の住所を記載する。
起業している方で会社を持っている場合は、会社の住所を記載していきます。
自宅兼事務所の場合は同上または同じように記載する。
5⇒名称(屋号)
名称は、法人の場合は会社名を記載していきます。
個人事業主の場合は、屋号が多くなると思いますが、書かなくても良いのか迷う事がありますが、強制で屋号を書かないといけないという決まりはありません。
無しでも提出できます。
個人の思い、考えのある屋号を入力しましょう。
迷っている場合、屋号を見て仕事内容がわかりやすいものみんなに覚えてもらいやすい、地域名等が入った屋号が良いそうです。
6⇒個人番号、法人番号
個人事業主は、個人番号(マイナンバー)13桁を記載します。
個人番号カードまたは通知カードを参照して記載していきます。
法人の場合は法人番号を記載します。
7⇒氏名
自分の名前、法人の場合は代表者の名前を記載します。
8⇒代表者住所
空白または同上と記載します。

9⇒適用開始課税期間
消費税の課税事業者となる期間の初日と末日を記載します。
元号は、該当する箇所にチェックを付けます。
手書きの場合は、〇を付けます。
アプリケーション開いて入力、Acrobat Reader DCソフトで入力、PDFで直接入力の場合は、ラジオボックスにチェックを付けます。
例えば、令和4年度の売上が課税売上が1,000万円を超えた場合ここに記載するのは翌々年令和6年1月1日~令和6年12月31日
10⇒上記期間の基準期間、左期間の総売上高・課税売上高
上記期間の基準期間は、課税売上が1,000万円を超えた年度の期間の初日と末日を記載します。
元号は、該当する箇所にチェックを付けます。
手書きの場合は、〇を付けます。
アプリケーション開いて入力、Acrobat Reader DCソフトで入力、PDFで直接入力の場合は、ラジオボックスにチェックを付けます。
例えば、令和5年度の売上が課税売上が1,000万円を超えた場合は自:令和5年1月1日、至:令和5年12月31日と記載します。
または、個人事業主の場合、この書類を提出する年の前年1月1日~12月31日です。
法人の場合、上記の期間の前々事業年度が原則ですが、前々事業年度が1年に満たない場合はその事業年度開始の日の2年前の日の前日から同日以後1年を経過する日までの間に開始した各事業年度を合わせた期間が基準期間になります。
左期間の総売上高は、売上・雑収入・受取利息・配当金・不動産収入などを含めた全ての収入金額です。
具体的には
- 商品・製品の販売代金や請負工事収入、サービス料収入
- 農業、漁業による収入
- 不動産(土地を含まれます)の賃貸料や権利金、礼金、更新料収入
- 事業用固定資産等の譲渡収入
- 棚卸資産や事業用資産を家事に消費または使用した場合の収入計上額
- 原稿料、講演料、出演料
- ブログ、動画配信などの広告収入
などです。
基準期間で免税事業者の場合は、税込の売上を記入。
基準期間で課税事業者の場合は、税抜売上を記入。
左記の課税売上高は、課税売上のみです。
課税売上とは総売上高から消費税が課税されない収入金額を差し引いた額になります。
非課税分、不課税分は含まれません。
消費税が課税されない収入は、
- 土地(借地権等を含まれます)及び住居用住宅(アパート、マンション、貸間、社宅などを含まれます)の賃貸料や権利金、礼金、更新料収入(賃貸期間が1ヶ月に満たない場合や駐車場等の施設の貸し付けに伴うものは含まれません)
- 事業用固定資産である土地の譲渡収入
- 身体障碍者用物品(義肢等特定の物品に限られます)の販売収入、賃貸料
- 意志等の社会保険診察収入および助産にかかる収入
- 商品券、ビール券等の物品切手の販売収入
- Google AdSense収入
などです。
11⇒事業内容等
生年月日は事業を開始した日・事業内容を記載します。
元号は、該当する箇所にチェックを付けます。
手書きの場合は、〇を付けます。
アプリケーション開いて入力、Acrobat Reader DCソフトで入力、PDFで直接入力の場合は、ラジオボックスにチェックを付けます。
事業年度・資本金は、法人の場合記載。
個人事業主は不要。
届出区分に関しては、その他で問題無いです。
会社合併等で課税事業者に該当するようになった場合に当てはまるものに○をします。
12⇒税理士署名押印
税理士と関与している場合に必要。
税理士と関与していない場合は不要なので未記入。
消費税課税事業者届出書(特定期間用)の書き方
消費税課税事業者届出書(特定期間用)の書き方に関しては、基本的に消費税課税事業者届出書(基準期間用)と同じです。
違うところは、下の方の上記期間の特定期間、適用開始課税期間という項目です。
例えば、令和5年1月~令和5年6月までで課税売上高が1,000万円超えた場合、上記期間の特定期間に自:令和5年1月1日、至:令和5年6月30日と記入します。
適用開始課税期間には、上記期間の特定期間の翌年になります。
先ほどの例で令和5年1月~令和5年6月までで課税売上高が1,000万円超えた場合は、自:令和6年1月1日、至:令和6年12月31日と記入します。
書類は、下のURLからアクセスできます。
消費税課税事業者選択届出書の書き方
消費税課税事業者選択届出書の書き方に関しては、基本的に消費税課税事業者届出書(基準期間用)と同じです。
適用開始課税期間には消費税の課税事業者となる期間の初日と末日を記載します。
例えば、令和5年度に消費税の課税事業者になった場合ここに記載するのは
自:令和5年1月1日 至:令和5年12月31日と記載します。
上記期間の基準期間は、「適用開始課税期間」の2期前の事業年度を記載します。
例えば、「適用開始課税期間」が令和5年の場合
自:令和3年1月1日、至:令和3年12月31日と記載します。
違う点としては、届出区分の項目が多くなっています。
当てはまるところにチェックをしましょう。
書類は、下のURLからアクセスできます。
消費税課税事業者届出書の提出期限
課税事業者選択届出書の提出期限は、適用を受けようとする課税期間初日の前日までとなっています。
例えば、令和5年度(令和5年1月1日~令和5年12月31日)に基準期間の課税売上高が1,000万円を超えた場合は、令和7年度の申告から課税事業者となりますので提出期限は、令和6年12月31日までとなります。
消費税課税事業者届出書(特定期間用)の提出期限
事由が生じた場合、速やかに提出となります。
消費税課税事業者選択届出書の提出期限
消費税課税事業者選択届出書の提出期限は、原則として、適用を受けようとする課税期間の初日の前日(事業年度の最終日)までです。
例えば、令和6年度から適用を受けたい場合は、令和5年12月31日までとなります。
注意点
消費税課税事業者届出書を提出した後、すぐに免税事業者に戻ることができません。
消費税課税事業者選択届出書を提出すると、原則として2年間は免税事業者に戻れません。
消費税課税事業者選択不適用届出書は、課税事業者となった課税期間の初日から2年を経過する日の属する課税期間の初日以降であれば提出できます。
消費税課税事業者から免税事業者に戻る場合、消費税課税事業者選択不適用届出を提出する必要があります。
消費税課税事業者届出書の提出方法
消費税課税事業者届出書の提出方法は、直接納税地を所轄する税務署に行って提出する、直轄の税務署に郵送で送る、電子申告で提出するの3つです。
直接納税地を所轄する税務署に行って提出する
税務署は、月曜日から金曜日の午前8時30分から午後5時までです。
土曜日、日曜日、祝日及び年末年始(12月29日から1月3日)は閉館
時間内に余裕を持って納税地を所轄する税務署に行って提出しましょう。
納税地を所轄する税務署に郵送する
税務署まで遠くて大変、忙しくて税務署に行けない方は郵送するという方法があります。
郵送する場合は、「郵便物(第一種郵便物)」もしくは「信書便物」として送付します。
郵送は、書留郵便をオススメします。なぜかと言いますと、万が一トラブルで紛失した場合に対応してもらえるからです。
提出の際に税務署員から最低限のチェックを受けることもできないので、消費税課税事業者届出書の書類を確認して欲しい、気になった事を質問したい場合は、納税する税務署で相談・受付が行われていますので、ご確認ください。
インターネットで申告し、e-Taxで電子申告
パソコンからインターネットを使って電子申告をすることもできます。
平成31年1月以降からマイナンバー方式、ID・パスワード方式の2つの方式が利用できるようになりました。
個人事業の開業届出・廃業届出等手続 をインターネットで申告できるのは、マイナンバー方式のみとなっています。
ID・パスワード方式はインターネットで申告できないのでご注意ください。
マイナンバー方式
e-Taxで電子申告するには、消費税課税事業者届出書を納税地を所轄する税務署に提出(送信)する必要があります。
ネット上での本人認証は、電子証明書が内蔵されたマイナンバーカード(個人番号カード)と、市販のICカードリーダーを使います。
本人認証が必要なタイミングで、パソコンにICカードリーダーをUSB接続などして、このICカードリーダーにマイナンバーカードを挿し込むなどします。
e-Tax用のID・パスワードは不要となります。
- ICカードリーダーを接続できるパソコン(基本的にはUSB接続)
- 電子証明書付きのマイナンバーカード (or 電子証明書の有効期限が残っている住基カード)
- e-Tax対応 ICカードリーダー
消費税課税事業者届出書で分からない場合
消費税課税事業者届出書で分からない場合は、納税地を所轄する税務署、税理士にご相談ください。
自分で書くのが難しいと思ったら
自分で書くのが難しいと思ったら無理をせず、税理士に依頼すると良いです。