皆さん年金はどうやって運用されているか知っていますか?
年金もらえるかもらえないかということを考えていても年金がどのように運用しているのか考えることが少ないので知らないという人が多いのではないでしょうか。
今回は、年金の運用について紹介していきます。
年金はどうやって運用しているの?
日本国民は、国民年金、厚生年金を毎月納めています。
毎月納めている国民年金、厚生年金は、GRIF正式名称「年金積立金管理運用独立行政法人」に積立金として管理して運用されています。
日本の年金の場合は、年金を受け取っている人に集めた保険料を仕送りする賦課(ふか)方式を採用されています。
賦課(ふか)方式は、実質的な価値を維持するために、インフレや給与水準の変化に対応していていて、厚生年金の財源の内訳は、2割が国庫、7割現役世代の保険料、1割が積立金から運用されています。
昔の年金は、GPIFではありませんでした。
さかのぼって1986年から2000年までは年金福祉事業団で運営されていました。
積立金を運用するために、大蔵省の資金運用部から特殊法人への貸し付けとしてお金を借りて運用し、利息を払って返すやり方でした。
2001年から財政投融資改革によって年金資金運用基金(GPIFの前身)が厚生労働大臣から寄託された積立金を直接運用できるようになり、2006年以降GRIFになって現在のような形になっています。
こういった歴史があり、年金の運用方法にも2000年以前と2006年以降と大きな違いがありました。
年金運用
どの対象にどんな割合で投資するかの基準をポートフォリオといわれています。
2006年までは、安全志向で、国内債券(日本国債中心)に全体の約3分の2を占めていました。
2006年GRIFになって長期的な運用するため徐々にポートフォリオを変化させていき、2017年は、外国株式25%、国内株式25%、外国債券15%、国内債券35%、2020年は、外国株式、国内株式、外国債券、国内債券それぞれ25%ずつ運用されています。
2017年と2020年の運用を比べると国内債券を10%減らし、外国債券を10%増やしています。
海外の方が長期的に考えて収益が高くなるので、外国債券を増やしていったのではないかと思います。
2022年3月の運用資産額の合計は、約197兆円になっており、2000年の27兆円のおよそ7.3倍となっています。
年間成績は、10兆925億円で投資収益率5.42%の収益率となっています。
運用実績は、2001年度~2022年度まで約105兆円(累計)となり、年率3.69%の収益率となっています。
2022年10~12月期約1.9兆円の赤字。(収益率-0.97%)
赤字は20年ぶりの状況。
円高の影響と債券価格の下落によって赤字運用が続いています。
長期的な運用計画と賦課(ふか)方式によって運用資産をゼロにならないように計画的に運用されているため、今現時点で、将来の年金はゼロになることがないということです。