病気やけがをすると加入している健康保険から傷病手当金を受け取ることができます。
実はこの傷病手当金、退職後にも給付を受けられることがあります。
健康保険の加入先によって異なりますが、今回は全国健康保険協会(協会けんぽ)を例に、退職後でも傷病手当金をもらえるケースをお伝えします。
傷病手当金とは?
傷病手当金とは、健康保険法等を根拠に、公的医療保険の被保険者が疾病または負傷により業務に就くことが出来ない場合に、療養中の生活保障として保険者から行われる給付金です。
支給される期間は1つの原因で起きたけがや病気につき最長1年6ヶ月間となります。
傷病手当金は会社員の方が加入する「健康保険」のみの制度であり、自営業者の方が加入する「国民健康保険」にはない制度になります。
なお、現在、特例として新型コロナウイルスに感染した場合にのみ国民健康保険の加入者にも傷病手当金制度があります。
詳しくは、市区町村役場にお問い合わせやホームページをご確認ください。
退職後傷病手当金をもらうには?
退職後傷病手当金をもらうにはある条件を満たす必要があります。
- 在職中に業務外の病気やけがで会社を3日連続で休んでいる
- 退職日に出勤していない(公休や有給でもよい)
- 医師から就労不能の診断を受けることができる
- 退職日までに継続して1年以上健康保険に加入している
上記の4項目に全て該当すれば退職後に初回の申請をすることができます。
注意点は、退職日含めて3日間以上連続で休んでいるということです。
よく退職日だけでも引き継ぎや荷物の整理などで出勤される場合がありますが、そうなると退職後の申請ができないことになりますので、この点は特に注意してください。
在職中から受けている場合は、退職後傷病手当金をもらうことができる?
在職中から傷病手当金を受けている方は退職後も傷病手当金を継続して受け取り続けることができます。
ただし、上限は通算1年6ヶ月までとなっています。
例外で、一度病気が完治した後の再発と判断された場合、傷病手当金もらった時の病気と異なる病気になってしまった場合は、どちらも別の病気とみなされ、新たに1年6ヶ月の支給期間が発生します。
2回目以降の支給時には1回目の傷病手当金支給時にあった3日の待期期間は必要ありません。
退職後に傷病手当金を受け取るためには退職日に出勤していないことがポイントになります。
傷病手当金の申請方法
傷病手当金の申請には健康保険傷病手当金支給申請書を加入している健康保険組合に提出します。
申請書には医師や事業主(勤務先)の記載する欄があるため勤務先の協力は必須です。
申請書の提出は勤務先を通じて行うこともできますし自身で提出することもできます。
また、記載内容や状況によっては添付書類が必要となることもあります。
詳しくは、退職時に加入している健康保険組合に相談しましょう。
傷病手当金の時効は2年
傷病手当金は、時効があり、けがや病気で初めて休んだ日から2年となります。
2年を過ぎると傷病手当金の申請しても傷病手当金を受け取れなくなってしまいます。
そのため、退職後に初めて傷病手当金を申請する場合は時効に注意し手続きをするようにしましょう。
最後に
傷病手当金は、在職中に受け取ることができますが、退職後も条件によって受け取ることができます。
- 在職中に業務外の病気やけがで会社を3日連続で休んでいる
- 退職日に出勤していない(公休や有給でもよい)
- 医師から就労不能の診断を受けることができる
- 退職日までに継続して1年以上健康保険に加入している
上記の4項目に全て該当すれば退職後に初回の申請をすることができます。
2回目以降の場合は、
- 退職日に出勤していない(公休や有給でもよい)
- 医師から就労不能の診断を受けることができる
- 退職日までに継続して1年以上健康保険に加入している
上記の3項目に全て該当すれば退職後に2回目以降の申請をすることができます。
1回目の傷病手当金支給時にあった3日の待期期間は必要ありません。
退職後に傷病手当金を受け取るためには退職日に出勤していないことがポイントになります。
もし、退職後は傷病手当金を申請できないし継続して給付も受けられないと諦めている方がいれば、諦めず傷病手当金を申請してみてください。
ただし、傷病手当金には2年という時効があるので、注意して手続きをするようにしましょう。