年収300万円の手取りはいくらになる?

年収300万円 手取り

民間給与実態統計調査によると正社員で働いている人の中で年収300万円を稼いでいる人の割合は25%となっており、正社員の4分の1と非常に大きな割合となっています。

また、性別で比較して見ると男性が27.9%、女性が22.6%と男性の割合は女性よりも5%ほど高くなっています。

日頃、給与明細を見て、手取り金額を確認するだけになっていませんか。

会社から受け取る源泉徴収票や住民税の決定通知書を見ても、内容が分からず、そのまま放置しているという人が多いです。

知らない人が多い中理解をすると手取り収入を増やすことができるかもしれません。



年収300万円の手取りはいくらになる?

年収300万円というのは、会社から支給される給与収入の合計です。

しかし、300万円は、全て銀行に振り込まれることはありません。

手取り金額は、給与収入-所得税-住民税-社会保険料で計算されます。

給与収入300万円の人で、所得控除が基礎控除と社会保険料控除だけという人は、手取りが236万円8850円です。

所得税

所得税の金額は、給与収入から給与所得控除と所得控除を差し引いた課税所得に所定の税率をかけて算出します。

給与所得控除は、速算表に当てはめると、給与収入300万円の場合98万円です。

所得控除は、基礎控除48万円と社会保険料控除45万9000円を合わせた93万9000円です。

課税所得は、300万円-(98万円+48万円+45万9000円)=108万1000円です。

税率は5%になりますので、所得税は、108万1000円×5%=5万4050円です。

住民税

住民税も所得税と同じ計算になります。

給与収入から給与所得控除と所得控除を差し引いて課税所得を求めます。

ただし、住民税の基礎控除は所得税(48万円)と異なり、43万円です。

給与収入が300万円の場合、給与所得控除は速算表により98万円です。です。

所得控除は、基礎控除の43万円と社会保険料控除45万9000円を合わせた88万9000円です。

課税所得は、300万円-(98万円+43万円+45万9000円)=113万1000円になります。

住民税額は、課税所得に所得割の10%と均等割の5000円を合わせたものになります。

計算をすると所得割額は11万3100円、均等割は5000円なので、住民税は11万8100円になります。

社会保険料

社会保険料は、給与の金額に健康保険料率11.64%、厚生年金保険料率18.3%を掛けた額を労使折半します(協会けんぽ東京40歳以上の場合)。

健康保険料と厚生年金保険料を合わせた従業員負担分を15%とし、雇用保険料0.3%と合わせて計算すると、45万9000円です。

年収300万円の手取り額は、年収300万円-所得税5万4050円-住民税11万8100円-社会保険料45万9000円=236万8850円

年収300万円の手取り額は、236万8850円です。

源泉徴収票には、所得税額が書かれているので、確認してみましょう。



年収300万円で節税できる方法

節税は、高年収の人やお金持ちがすることなので自分に関係ないと思っていることがあるかもしれません。

しかし、税金を減らすには、収入から差し引くことができる所得控除を増やすことが大切です。

年収300万円で節税できる方法を紹介します。

iDeco(イデコ・個人型確定拠出年金)

iDeCoは、20歳から60歳までの人が利用できる老後資金の準備ができる制度です。

毎月、定期預金や保険、投資信託の中から商品を選び、5000円以上1000円単位の掛金を拠出して自分で運用します。

掛金の全額を所得控除することができるため、毎年の所得税や住民税が安くなるうえ、運用益にも税金がかからないなど税金の優遇制度が使えます。

毎年拠出できる掛金には上限があります。

自営業は年81万6000円、会社員で企業年金がない場合には年27万6000円、公務員や企業年金がある会社員は年14万4000円などとなっています。

たとえば、年収300万円の会社員(所得税率5%・住民税率10%)が月額2万3000円拠出した場合には、年間に所得税と住民税が4万1400円節税できます。

30歳から60歳までの30年間ともなると、節税額は約124万円です。

もし30年間、年3%で運用できた場合には、資産は1340万円にもなります。

セルフメディケーション税制

予防接種や健康診断などの健康増進の一定の取り組みを行う人が、スイッチOTC医薬品の購入をして年間1万2000円を超えて支払った場合には、10万円を限度として1万2000円を超える額を所得控除する制度です。

例えば、年収300万円の人が年間に5万円の対象医薬品を購入した場合、所得税・住民税が合わせて5700円安くなります。

ふるさと納税

ふるさと納税は、寄附金控除の一つで、応援したい自治体に寄付ができる制度です。

手続きをすると、2000円を超える部分については、所得税の還付や、住民税の控除が受けられます。

しかも、寄付をした自治体からはお礼の品(返礼品)がもらえます。

ふるさと納税の寄付の上限額は、給与収入や家族構成によって異なります。

例えば、給与収入300万円で独身の方の場合、目安となる寄付の上限額は2万8000円。

この上限までふるさと納税で寄付をした場合、2000円を引いた2万6000円が所得税や住民税の控除対象になるのです。

寄付した自治体が5か所以下で確定申告をしなくてもよい会社員などは、確定申告をしなくても自動的に住民税が安くなるワンストップ特例制度が利用できます。

年金追納

学生時代、無職時代、お金が無いなどにより国民年金を支払うことが難しいとなった場合に「免除」申請していることがあったりします。

年金の「免除」した分を追納することで、社会保険料控除の対象になるので、所得税や住民税が軽減することができます。

年金の「免除」した分を2年間追納した場合、年収300万円の節税は、約8万円になります。

年金受給額も月額3,300円増やすことができます。

ただし、年金免除の追納は、過去10年までしかさかのぼることができません。

11年前の年金免除した分の追納はできませんので注意が必要です。

さらに3年以上前の年金免除した分の追納は、加算金が発生するので、当時の年金額プラス加算金を合わせた金額を支払わなければなりません。

加算金払いたくないと考えている人は、2年以内に免除した年金分のお支払いを済ませましょう。



まとめ

年収300万円の手取りはいくらになるのか紹介しました。

さらに年収300万円で節税できる方法も合わせて紹介しました。

特別することが無い限り、会社員や公務員は、年末調整をするだけで税金の手続きは終わりになります。

しかし、所得控除は沢山ありますので、上手に利用することで節税できる金額を増やすことができて、手取り収入が多くなる可能性があります。

今後利用できそうな所得控除があれば、節税にチャレンジしてみてはいかがですか。

少しの積み重ねによって大きな金額の差が出るかもしれません。

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