「税制改正大綱」2023年の暮らしはこう変わる

税制改正大綱 2023
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自民、公明両党が12月16日決定した2023年度「税制改正大綱」が発表されました。

今回、「税制改正大綱」の解説していきます。



税制改正したところ

  • 相続・生前贈与の見直し
  • 教育資金と結婚・子育て資金を子や孫に贈与した場合の非課税特例延長
  • 法人税増税
  • 所得税増税
  • たばこ税増税
  • 復興特別所得税引き下げ
  • NISA恒久化と投資枠の上限引き上げ
  • エコカー減税延長
  • スタートアップ育成支援投資家税制優遇
  • 超富裕層課税

相続・生前贈与の見直し

一定の資産を相続すると相続人は、相続税を納税しなければなりません。

基礎控除は、3000万円+(600万円×法定相続人の数)になります。

例えば、配偶者と子供2人が相続人の場合の基礎控除は4,800万円になります。

相続財産から基礎控除を除いた金額が課税遺産総額となり、以下の税率および控除額で相続税を算出します。

課税遺産総額 税率 控除額
1,000万以下 10%
1,000万円超3,000万円以下 15% 50万円
3,000万円超5,000万円以下 20% 200万円
5,000万円超1億円以下 30% 700万円
1億円超2億円以下 40% 1,700万円
2億円超3億円以下 45% 2,700万円
3億円超6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円

節税のために生前贈与を行っているケースがあります。

親族間であっても、一定の資産を贈与した場合は、相続税が課税されます。

1年に受け取った金額が110万円未満の場合は、相続税が課税されません。

他には、60歳以上の親や祖父母から20歳以上の子や孫に贈与する場合に「相続時精算課税」を選択すると2500万円以下まで贈与税が非課税になります。

「相続時精算課税」するのに「相続時精算課税選択届出書」の届出しなければなりません。

つまりわずか数万円程度の贈与についても税務署に申告する必要がありました。

今回の税制改正によって、毎年110万円以内の贈与であればこのような手続きが不要になります。

さらに生前に贈与された財産と死後に相続した財産を合わせて課税額として計算する期間を3年から7年に延ばしました。

教育資金と結婚・子育て資金を子や孫に贈与した場合の非課税特例延長

教育資金贈与は、30歳未満の子供か孫に対して、教育資金贈与するなら1500万円まで非課税できる制度です。

教育資金は、学費として支払われる授業料、入学金が挙げられます。

他には、塾やスイミングスクール、自動車学校なども含まれます。

留学の場合は、外国の学校に払う学費や、飛行機代も教育資金になります。

結婚・子育て資金贈与は、親や祖父母から、18歳以上50歳未満の子や孫へ、将来結婚や子育てに使うお金を、非課税で贈与できます。

税制改正により、贈与税では、生前に贈与された財産と死後に相続した財産を合わせて課税額として計算する期間を教育資金を子や孫に贈与した場合の非課税特例(1500万円)を3年、結婚・子育て資金の非課税特例(1000万円)は2年、それぞれ延長することになりました。

法人税増税

法人税の税率を変えず、本来の税額に4~4.5%上乗せになります。

所得2400万円程度以下の中小企業は増税の対象外で、実際に増税されるのは全法人の6%弱となります。

上げた財源を防衛力強化に充てます。

増税時期は2024年以降になります。

所得税増税

所得税の税額に1%上乗せになります。

防衛費に充てる付加税を新設することになりました。

上げた財源を防衛力強化に充てます。

増税時期は2024年以降になります。

たばこ税増税

たばこ税は1本換算で3円を段階的に引き上げていきます。

上げた財源を防衛力強化に充てます。

増税時期は2024年以降になります。

復興特別所得税引き下げ

復興特別所得税は、 2011年3月に発生した東日本大震災からの復興にかかる費用の財源を確保するための特別税です。

復興特別所得税を1%引き下げになります。

改正によって、「2037年末までの期間」から「復興財源を確保するために必要な長さ」に変わります。

NISA恒久化と投資枠の上限引き上げ

株式・投資信託等を年間120万円まで購入でき、最大5年間非課税保有可能の一般NISA。(最大600万円)

株式・投資信託等を年間40万円まで購入でき、最大20年間非課税保有可能のつみたてNISA。(最大800万円)

今現在は、つみたてNISAと一般NISAが分かれて併用できません。

2024年1月からは、2種類を併用することができます。

つみたて型の年間上限を今より3倍の120万円。

一般は「成長投資枠」に名称が変わります。

一般型「成長投資枠」の年間上限を今より2倍の240万円。

合計360万円になります。

NISA制度を恒久化して、生涯で1800万円(成長投資枠は1200万円まで)に引き上げることになりました。

まとめると

【現行】

つみたて40万円×20年 最大800万円 2042年まで

一般120万円×5年 最大600万円 2023年まで

併用できない

【新制度2024年1月~】

つみたて120万円×無期限

成長投資枠240万円×無期限

最大買付残高1800万円うち成長投資枠1200万円

併用できる

エコカー減税延長

エコカー減税は、自動車の車検の際に支払う自動車重量税は、環境性能の高さに応じて、自動車重量税が25〜100%減税されます。

エコカー減税が2023年まで延長することになりました。

理由としては、半導体不足で納車が遅れていることに配慮して、2023年末まで延長になりました。

2024年以降は、段階的に燃費基準を厳しくして減税対象を絞り込み、電気自動車(EV)など環境性能の高い電動車の普及につなげていく予定です。

スタートアップ育成支援投資家税制優遇

スタートアップ(新興企業)育成に向け、資金支援を必要とする新興企業に投資した場合に所得税の一部を課税対象から外すといった優遇措置を導入することになりました。

各国共通の法人税の最低税率を「15%」とする国際合意を踏まえ、グローバル企業の最低税率を15%にする新たな制度の導入も明記しました。

来年10月のインボイス(適格請求書)制度の導入に向け、小規模事業者への負担軽減策も盛り込んでいます。

超富裕層課税

所得が30億円を超える超富裕層に課税強化することになりました。

給与所得のほか、株式や土地建物の売却益などを合計した所得が約30億円を超える200~300人程度が対象です。

2025年から適用します。

合計所得から3.3億円を引いた上で22.5%の税率をかけた額を算出し、計算した数字が通常の所得税額を上回った場合は差額を追加課税します。

所得が50億円の人では2~3%増える見込みです。

まとめ

「税制改正大綱」の解説していきました。

  • 相続・生前贈与の見直し
  • 教育資金と結婚・子育て資金を子や孫に贈与した場合の非課税特例延長
  • 法人税増税
  • 所得税増税
  • たばこ税増税
  • 復興特別所得税引き下げ
  • NISA恒久化と投資枠の上限引き上げ
  • エコカー減税延長
  • スタートアップ育成支援投資家税制優遇
  • 超富裕層課税

です。

具体的に

相続・生前贈与の見直し

⇒毎年110万円以内の贈与であれば「相続時精算課税選択届出書」の届出が不要。

⇒生前に贈与された財産と死後に相続した財産を合わせて課税額として計算する期間を3年から7年に変更。

教育資金と結婚・子育て資金を子や孫に贈与した場合の非課税特例延長

⇒教育資金を子や孫に贈与した場合の非課税特例(1500万円)を3年延長

⇒結婚・子育て資金の非課税特例(1000万円)は2年延長

法人税増税

⇒4~4.5%上乗せ2024年以降

所得税増税

⇒1%上乗せ2024年以降

たばこ税増税

⇒1本換算で3円を段階的に引き上げ2024年以降

法人税・所得税・たばこ税の引き上げた分は防衛力強化として充てられます。

復興特別所得税引き下げ

⇒1%引き下げ

⇒期間が「復興財源を確保するために必要な長さ」

NISA恒久化と投資枠の上限引き上げ

⇒つみたて120万円×無期限

⇒成長投資枠240万円×無期限

⇒最大買付残高1800万円うち成長投資枠1200万円

⇒併用できる

⇒2024年1月から

エコカー減税延長

⇒2023年末まで延長

スタートアップ育成支援投資家税制優遇

⇒最低税率を15%

超富裕層課税

⇒所得が約30億円を超える200~300人程度が対象で課税強化

⇒2025年から適用

生活面に重要なところを知ってお金の知識を高めていきましょう。

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